調査レポート:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における国内ファッションECへの影響

White Paper

■はじめに

私たちは現在、社会・経済・及び家族との健康で安全な生活に対する大きな不安に直面しています。この状況の中では、各々が正しい意思決定を行うための正しい情報が最も必要であると考えています。そんな中、ファッションECのプラットフォーム事業をしている私たちができることはなにか。業界の状況に光を当てることで、私たちのお客様を少しでも助けることができたら、それが私たちが今できるもっとも重要なことだと考えました。そこで、弊社のデータサイエンスチームは、国内のファッションECにおけるCOVID-19の影響について簡単なレポートを作成いたしました。

みなさまが安全に過ごせますように。
インガ・シルクウォース 博士
株式会社Virtusize データサイエンスチームマネージャー

■総括

ファッションECにおける売り上げは堅調であり、顧客の購買行動は変化している

1. 全体として、COVID-19の影響が大きい期間中のファッションECにおける売り上げは堅調。注文数と平均注文額は、どちらも2019年の同時期と比較して大幅に増加している。しかし、この期間のファッション全体の消費量が低いと考えると、COVID-19の影響がなければ売り上げはより増加していた可能性があるという見方もできる。


2. 分析期間のファッションECでの購買は週末により一層集中するようになっている。


3. 分析期間の購買のピーク時間は、従来の午後9時よりも早い午後7時頃にシフトしている。

※COVID-19の影響は売り上げを左右する要素の数多くの要因の中のひとつであるため、必ずしもすべての事業者においてこの結果が当てはまるとはいえません。

■各項目の詳細

ファッションECの売り上げと注文額は堅調

<期間:2019年3月1日~2019年3月25日 vs 2020年2月28日~2020年3月23日>

ファッションECの売り上げは昨年2019年の同時期に比べて約20%増加しています。国内ファッションEC市場の過去5年間の年間成長率が10~20%であることを考えると、この成長は高水準であると言えます。興味深いことに、注文回数が増えているだけではなく、購入単価も上昇していますが、1注文あたりの商品数についてはほとんど影響がありません。

ファションEC売り上げ日時週間 <0日目 = 1月3日、81日目 = 3月23日>

オンラインファッションECの販売傾向をより詳細に把握し、収益への影響に関する考察と掛け合わせるために、COVID-19の影響が大きい期間と、前年2019年の同期間について時系列分析を行いました。グラフを見ると、COVID-19の影響が大きい期間でも売り上げは堅調であることがわかります。

起算日:<2020年1月3日、2019年1月4日>

しかし、COVID-19の影響により、売り上げの成長率が鈍化した可能性もありそうです。
成長率への影響は、今後数週間でより明らかになるでしょう。

分析期間のファッションECでの購買は週末により一層集中するようになっている。

曜日別ファッションEC収益率(%)<2019年2月27日〜2019年3月19日 vs 2020年2月26日〜2020年3月17日>

ファッションECでの購買は通常、週末に行われる傾向があります。
興味深いことに、COVID-19の影響により、この傾向はさらに顕著になっています。土曜日と日曜日の2日間の合計売上割合は全体の37%を占めています。
これは、週末に外で買い物をするよりも屋内に滞在する人が増えた結果であるという可能性も考えられます。
このことを考慮すると消費者へのアプローチは週末に行った方がより効果的であるという見方もできます。

分析期間の購買のピーク時間は、従来の午後9時よりも早い午後7時頃にシフトしている。

ファッションECの時間ごとの売り上げ <2019年3月1日〜2019年3月25日 vs 2020年02月28日〜2020年03月23日

従来、ファッションECでの購買数は仕事先や外出先から帰宅した後の時間と思われる午後9時頃から増加し始めていました。
一方現在では、購買数が増加し始める時間は午後7時頃からとなっており、購買自体が早い時間帯に移っている傾向があることがわかりました。
これは外出・外食をする人が少なく、早い時間に帰宅する人が多いことが原因である可能性があります。社会活動と距離をとる動きが広がるにつれて、この傾向は少なくとも一定期間、継続するでしょう。
その場合、購買時間帯に合わせた販売促進施策の調整も行う必要がありそうです。

■おわりに

当社のデータは、ファッションECの売り上げが前年比で約20%増加していることを示していますが、外部ソースからの複数のレポートでは、オフラインチャネルでの売り上げが劇的に減少したことを示しています。COVID-19の影響により、2つのチャネル間のバランスに大きな変化が生じたようです。
ファッション全体におけるオンラインで販売のシェアについては、昨年は11~12%程度と推定されていますが、現在は20%以上となっています。
オンラインとオフラインチャネルでの販売の変化がどの程度続くかを結論付けることは、まだ時期尚早と考えます。しかし、欧州や米国などの成熟した消費市場においては、オンライン購買への移行はさらに進んでおり、このCOVID-19の影響が広がる以前でも、20%を超えていました。現在の状況は、日本においても今後ファッションECでの販売が大きな割合を占めていくことをただ単に示しているのかもしれません。

■調査概要

調査期間(1):COVID-19の影響で多くの公立学校が閉鎖を決定した2020年2月28日から2020年3月23日まで
調査期間(2):調査期間(1) と同じ数の曜日を含む昨年2019年3日1日から2019年3月25日まで
調査データ:国内大手ファッションEC事業者の300万件以上の購買データ

◆本件に関するお問い合わせはこちらから

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